「毎日すっきりしない…」そんな便秘の悩みを抱えていませんか?
この記事では、管理栄養士が腸内環境を整える食事のポイントと、便秘解消に効果的な腸活食材をわかりやすく解説。病院現場での実例や私自身の体験談も紹介します。
なぜ便秘になるの?原因を知ることが第一歩
便秘は、単に「出ない」だけの問題ではありません。
腸の動きが鈍くなり、老廃物やガスがたまりやすくなることで、肌荒れ・疲労感・免疫低下など、全身に影響します。
主な原因は以下の通りです。
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 食物繊維不足 | 加工食品・外食中心で野菜が少ない |
| 水分不足 | 水分摂取量が少ない、コーヒーやお茶ばかり |
| 運動不足 | 腸のぜん動運動が弱まる |
| ストレス | 自律神経の乱れで腸の働きが低下 |
| 我慢の習慣 | 便意を無視すると排便リズムが崩れる |
入院患者さんにも多い「環境性便秘」
病院勤務の経験からも、入院患者さんは便秘になりやすい傾向があります。
その理由は、主に以下の3つです。
- 環境の変化
自宅とは違うトイレ環境・生活リズムで排便タイミングを逃しやすい。 - 疾患や手術の影響
安静が必要な病気や術後の痛みなどで運動量が減ると、腸の動きが低下しやすい。 - 内服薬の副作用
鉄剤・鎮痛薬・抗生剤などの影響で便が硬くなることも。 - 食欲不振による食事量の低下
入院中は体調変化や味覚の変化、食欲不振などで食事摂取量が減りやすいです。
すると、便のかさ(量)が減り、腸が刺激されにくくなるため、便秘が悪化しやすくなります。
そのため、多くの病院では「毎朝ヤクルトを提供」するなど、腸内環境をサポートする取り組みを行っています。
小さな工夫でも、継続的に発酵食品を摂ることで腸の動きを整えやすくなります。
腸内環境を整えるとは?「善玉菌」を味方につけよう
腸の中には約1,000種類、100兆個以上の腸内細菌が存在します。
これらは「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」に分かれ、善玉菌が優勢な状態=腸内環境が良い状態です。
| 菌の種類 | 働き | 多いとどうなる? |
|---|---|---|
| 善玉菌(ビフィズス菌・乳酸菌) | 消化・免疫をサポート | 便通改善・美肌効果 |
| 悪玉菌(ウェルシュ菌など) | 腐敗物質を発生 | 便臭・肌荒れ・疲れやすさ |
| 日和見菌 | 優勢な菌に影響される | 善玉菌を増やすと味方になる |
腸活=善玉菌を増やして腸内バランスを整えること。
便秘改善に役立つ栄養素と食材
① 食物繊維(腸の“ほうき”)
食物繊維は、便のかさを増やして腸を刺激し、善玉菌のエサにもなる腸活の主役です。
しかし、実際には日本人の多くが十分に摂取できていません。
食物繊維の目標量と実際の摂取状況(日本人の食事摂取基準2025年版、令和5年国民健康・栄養調査より)
| 区分 | 目標量(日本人の食事摂取基準2025年版) | 実際の平均摂取量 (令和5年調査) | 不足量の目安 |
|---|---|---|---|
| 男性(20〜29歳) | 21g以上/日 | 17.8g | 約−3g |
| 女性(20〜29歳) | 18g以上/日 | 15.0g | 約−3g |
| 男性(全年齢平均) | 21g以上/日 | 19.2g | 約−2g |
| 女性(全年齢平均) | 18g以上/日 | 17.3g | 約−1g |
若い世代(20〜29歳)では男女ともに約3g不足しており、特に外食や簡単な食事中心の生活では食物繊維が大きく不足しやすい傾向があります。
全年齢で見ても不足している状況です。
食物繊維3gを補うのは意外と大変!
「たった3gならすぐ摂れる」と簡単に思えますが、実際に食材で補おうとすると意外とボリュームがあります。
| 食材 | 食物繊維3gを摂る目安量 | コメント |
|---|---|---|
| キャベツ | 約1/2玉(約500g) | 生野菜だとかなりの量 |
| ごぼう | 約100g(1/2本) | きんぴら1皿分ほど |
| バナナ | 約3本 | 糖質も多くなるため注意 |
| オートミール | 約30g(1食分) | 効率よく摂れる優秀食材 |
| もち麦ごはん | 約1膳半(300g) | 主食に混ぜるのが◎ |
「あと3g」を食材で補うのは大変だからこそ、日々の工夫が大切です。
無理なく食物繊維を増やすコツ
- 主食を工夫する:白米にもち麦・雑穀を混ぜる、オートミールを朝食に取り入れる。
- 汁物を具だくさんにする:みそ汁・スープに野菜やきのこをたっぷり。
- 野菜は加熱してカサを減らす:生野菜も、加熱すると1/3量ほどで食べやすく。
小さな工夫を積み重ねることで、無理なく1日20g以上を目指せます。
② 発酵食品(善玉菌を“直接”取り入れる)
発酵食品は腸活の主役。毎日の食卓に小さく取り入れるのがコツです。
- ヨーグルト
- ヤクルト
- 納豆
- 味噌・ぬか漬け・キムチ
③ オリゴ糖(善玉菌のエサ)
オリゴ糖はプレバイオティクスとして腸内で善玉菌を増やすサポートをします。
- バナナ
- 玉ねぎ
- 大豆製品
- オリゴ糖シロップ
私の腸活体験談|“3日に1回”だった私が毎日スッキリできるようになった話
私自身も、以前は3日に1回しか出ないタイプでした。外出しても200mlの水筒すら飲み切らずに帰宅するほど、水分をほとんど摂らない生活。
外食先では多少水分をとっていましたが、圧倒的に不足していました。
「食物繊維を摂っているのに出ない…」と思い、自分の生活を見直した結果、水分不足が大きな原因だと気づきました。
そこで始めたのが「毎朝コップ1杯の白湯を飲む」習慣。
最初は変化を感じませんでしたが、1〜2か月ほどで自然に便通が改善し、今では毎日快便です。
腸活というと難しく感じますが、実際は小さな継続で大きく変わると実感しています。
腸活を成功させる食事のコツ3つ
- 朝は“白湯+食物繊維”でスタート
- 1食に“発酵食品+食物繊維”を組み合わせる
- 冷たい飲み物を控え、腸を冷やさない
まとめ|腸を整えると、身体も心も整う
- 便秘は生活リズムや食習慣、薬の影響など複合的な要因で起こる
- 食物繊維・発酵食品・オリゴ糖で腸をリセット
- 原因の特定と継続が最大のカギ
腸が整うと、肌・気分・免疫力まで変わります。
今日から、あなたの腸に“小さなごほうび”をあげましょう🌿


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