私は心不全療養指導士の資格を持つ管理栄養士です。循環器病棟には約3年間勤務しておりました。
「減塩しないといけないのは分かっているけれど、なかなか続かない…」
そんな声をよく聞きます。減塩に限らず、継続をすることって難しいですよね。
ですが、塩分を控えるのは「我慢」ではなく「工夫」で乗り切れるんです。
今日は、心臓や血圧の健康を守るために役立つ「減塩の具体的な方法」をご紹介します。
なぜ減塩が必要?塩分の摂りすぎで心臓や血圧に負担がかかる
塩分(ナトリウム)は体にとって欠かせないミネラルの一つですが、摂りすぎると健康に悪影響を及ぼすことが分かっています。
特に、心臓や血圧に負担をかける点が大きな問題です。
体内の塩分量が増えると、身体は濃度を一定に保つために水分を溜め込もうとします。
その結果、血液量が増えて血圧が上がり、心臓はより強い力で血液を送り出す必要が生じます。
この状態が続くと、心臓は常に「過労状態」になり、やがて心不全や動脈硬化などのリスクが高まります。
減塩の工夫
まずは「隠れ塩分」に注意
調味料だけでなく、加工食品や外食には思った以上に塩分が含まれています。
- カップ麺 → 塩分5〜6g前後(1杯あたり)
- 食パン→ 1g前後(6枚切り1枚あたり)
- ウインナー→塩分1g前後(2本あたり)
「しょっぱくないから大丈夫」と思っても、実際は多く含まれていることが多いので要注意です。

調味料を工夫する
減らすコツ
- 醤油は「かける」より「つける」
- 味噌汁は「具だくさん」にして汁を減らす
- ドレッシングは「別添え」にして量を調整
代わりに使えるもの
- レモンや酢の酸味
- だし(昆布・かつお・干し椎茸)
- 香辛料やハーブ(胡椒、カレー粉、バジル、ローズマリー)
- ケチャップやマヨネーズ
「味を足す」のではなく「風味を引き出す」工夫をすると、物足りなさを感じにくくなります。
また、醤油やドレッシングと比較してケチャップやマヨネーズは塩分が控えめなのでおすすめです。

外食・コンビニでの減塩テクニック
- 味噌汁やラーメンは「汁を全部飲まない」
- 定食についてくる漬物や味噌汁は残す
- 市販弁当についているパック調味料は半分残す
- 塩分表示を確認してより塩分の少ないものを選ぶ
全部を減らそうとすると続かないので、「できる範囲で」調整しましょう。
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調理のひと工夫
- 煮物や炒め物は「出汁+薄味」で仕上げる
- 素材の味を活かす(旬の野菜・鮮魚など)
- 「煮る」調理よりも「焼く」「蒸す」
煮物は味が染みやすく塩分の摂りすぎにつながるので他の調理法を活用しましょう。

減塩を続けるコツ
- 減塩調味料を上手に活用(減塩醤油、減塩味噌など)
- 味覚は2〜3週間で慣れるので「徐々に減らす」ことが大切
- 塩分の多いものは「食べちゃダメ」ではなく「1日の中で重複しないように」する
どんな料理も工夫次第では食べられます。ストレスが溜まらない程度に継続できることが何よりも大事です。

まとめ:減塩は「我慢」ではなく「工夫」で乗り越えることができる!
- 隠れ塩分に注意
- 調味料を工夫する
- 外食・コンビニでも調整可能
- 味覚は徐々に慣れる
今日からできることを少しずつ取り入れて、心臓にやさしい食生活を続けていきましょう。


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