「貧血は食事で治せるの?」そんな疑問に管理栄養士が解説。鉄分サプリとの違い、吸収率を高める食べ合わせ、毎日の献立に取り入れやすいポイントを紹介します。
貧血は食事で治せる?|サプリとの違いを管理栄養士が解説
そもそも「貧血」とは?鉄欠乏性貧血の原因
「貧血」とは、血液中のヘモグロビン(酸素を運ぶたんぱく質)が不足し、全身に十分な酸素が行き渡らなくなる状態を指します。
貧血にもさまざまな種類がありますが、最も多いのが鉄欠乏性貧血です。
鉄はヘモグロビンを作る材料。ところが、
- 月経(生理)や出血による鉄の損失
- ダイエットや偏食による摂取不足
- 成長期や妊娠期などで鉄の需要が増える
といった理由で、鉄の供給が追いつかなくなり貧血が起こります。
鉄分サプリと食事の鉄分、どちらが効果的?
サプリは、短期間で鉄を効率よく補えるというメリットがあります。
一方で、食事からの鉄は吸収率がやや低いものの、体への負担が少なく、他の栄養素とのバランスもとれるという利点があります。
つまり、
- 軽度の貧血や予防 → 食事で改善できる可能性あり
- 医師に貧血と診断され、数値が低い → サプリや薬が必要なことも
管理栄養士としては、まず「食事の見直し」を基本に、必要に応じてサプリを活用することをおすすめします。
サプリだけに頼るリスクと注意点
サプリで鉄を過剰に摂ると、
- 胃腸の不快感(吐き気・便秘)
- 鉄の過剰蓄積(ヘモクロマトーシス)
などのリスクがあります。
また、サプリの鉄は吸収されやすい反面、ビタミンやたんぱく質との相互作用が得られないため、長期的な体質改善にはつながりにくいことも。
「食事で鉄をとる+サプリで補う」
このバランスが、最も現実的で安全な方法です。
鉄分の吸収率を高める「食事の組み立て方」
ヘム鉄と非ヘム鉄の違い
鉄には大きく分けて2種類あります。肉や魚の赤身に多く含まれる「ヘム鉄」と野菜や豆類などに多く含まれる「非ヘム鉄」です。

ヘム鉄は、吸収率が20〜35%と高いことが特徴で、比較的簡単に鉄分を摂ることができます。赤身の肉やレバー、カツオやサンマなどの赤身の魚、貝類などに多く含まれます。
一方で非ヘム鉄は、吸収率が5%程度と低く、ヘム鉄と比べ吸収効率は劣ります。非ヘム鉄は、ほうれん草や小松菜などの野菜や、大豆、納豆、ひじきや青のりなどに多く含まれます。
動物性のヘム鉄の方が体内に取り込まれやすいですが、非ヘム鉄も食べ合わせ次第で吸収率を上げられます。
貧血改善には「両方をバランスよく」摂るのがポイントです。
吸収を助ける栄養素(ビタミンC・たんぱく質)
鉄は単独では吸収されにくい栄養素。
次のような“組み合わせ”を意識すると、吸収率がぐんとアップします。
- 🍊ビタミンC:非ヘム鉄を吸収されやすい形に変える
→例:ほうれん草(非ヘム鉄)×レモン汁(ビタミンC)
豆腐(非ヘム鉄)+ブロッコリー(ビタミンC) - 🍖たんぱく質:鉄の吸収を助け、ヘモグロビンの合成にも関わる
→例:ひじき(非ヘム鉄)+ハンバーグ(たんぱく質)
ほうれん草(非ヘム鉄)+卵(たんぱく質)
「鉄+ビタミンC+たんぱく質」のセットが理想です。
吸収を妨げる成分(カフェイン・食物繊維・カルシウム)
一方で、鉄の吸収を妨げる成分もあります。
- ☕ カフェイン(コーヒー・紅茶・緑茶):タンニンが鉄と結合して吸収を妨げる
→食後30分〜1時間は控えるのが◎ - 🌾 食物繊維やフィチン酸(玄米・豆類):鉄の吸収を阻害することがある
→主食を白米にしたり、発酵・加熱で吸収阻害を軽減
「せっかく鉄をとっても吸収されない」状態を避けるには、飲み物や組み合わせを少し意識するだけでOKです。
貧血改善に役立つ食材一覧
貧血の改善には、鉄だけでなく、吸収や血液づくりに関わる栄養素全体を意識することが大切です。
ここでは「鉄を含む食品」+「吸収を助ける食品」に分けて紹介します。
鉄分が豊富な食品(肉・魚・大豆・野菜など)
| 食品群 | 主な食材 | 特徴・ポイント |
|---|---|---|
| 肉類(ヘム鉄) | 牛もも肉、豚レバー、鶏レバー、鶏ささみ | 吸収率が高く、少量でも効果的。レバーはビタミンAも豊富。 |
| 魚介類(ヘム鉄) | カツオ、マグロ、イワシ、あさり、しじみ | タウリンやビタミンB₁₂も含まれ、造血作用を助ける。 |
| 大豆製品(非ヘム鉄) | 納豆、豆腐、高野豆腐、厚揚げ | 植物性たんぱく質と鉄を一緒にとれる。 |
| 野菜・海藻類(非ヘム鉄) | 小松菜、ほうれん草、ひじき、切り干し大根 | 食物繊維が多く、腸の働きもサポート。 |
💡ポイント:
レバーが苦手な人は「赤身肉」や「マグロ・カツオ」でOK。
非ヘム鉄の食品は、ビタミンCを含む食材と一緒に食べると吸収率アップ!
ビタミンCが多い食品
ビタミンCは鉄の吸収を促すほか、疲労回復や免疫維持にも役立ちます。

- 野菜:ピーマン、ブロッコリー、キャベツ
- 果物:いちご、キウイ、オレンジ、柿
- じゃがいも、さつまいも(加熱に強いビタミンCを含む)
💡サラダや副菜に生野菜・果物を1品足すだけでも吸収率が変わります。
鉄分吸収を高める組み合わせ例
実際の食卓では、次のような組み合わせが◎です
| メニュー例 | 組み合わせのポイント |
|---|---|
| 牛もも肉のしょうが焼き+ブロッコリーサラダ | ヘム鉄+ビタミンC |
| 豆腐ハンバーグ+トマトソース | 非ヘム鉄+たんぱく質+ビタミンC |
| あさりの味噌汁+卵かけごはん+みかん | ヘム鉄+たんぱく質+ビタミンC |
| ひじき煮+納豆+キウイ | 非ヘム鉄+たんぱく質+ビタミンC |
「主菜で鉄」「副菜や果物でビタミンC」を意識するだけで、吸収率がぐんとアップします。
コンビニ・外食での選び方
忙しい日でも、次のような選び方を意識するだけでOKです👇
- おにぎり(鮭・昆布)+豆腐サラダ+野菜ジュース
- 鯖の塩焼き弁当+レモン果汁入りドレッシング
- 鶏そぼろ丼+味噌汁+みかんゼリー
💡ポイント:鉄を「たんぱく質と一緒に」「ビタミンCと一緒に」摂る意識を持つだけで、コンビニ食でも十分に対策できます。
まとめ|基本は「食事」、必要に応じて「サプリメント」
食事を基本に、必要に応じてサプリを取り入れることが、無理なく続けられる貧血改善のコツです。
「食べる」と「補う」の両輪で、体の中から元気を育てていきましょう。


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